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データ同化:観測データとの融合で、より精度の高いシミュレーションを実現

シミュレーションは現実世界をモデル化して行われるので、その結果と現実世界の間にはどうしてもずれが出てきます。そこで、シミュレーションを実際の観測データとつきあわせ、シミュレーションの軌道を修正して「確からしさ」を高めることが行われています。これが「データ同化」です。私たちは、これまで気象分野で開発してきたデータ同化の手法を「京」で効果的に使えるように高度化するとともに、さらに先端的なデータ同化理論の開発に取り組んでいます。これにより、気象シミュレーションの大規模化・高精度化に貢献する一方、ほかの分野でもデータ同化を使っていただけるようにしたいと考えています。

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データ同化の役割 データ同化の手法

データ同化は、観測データとシミュレーションの間に橋をかける役割をします。例えば天気予報の場合、ラジオゾンデ、気象観測衛星などで観測したデータと、数値天気予報モデルを用いたシミュレーションを融合することで、より「確からしい」予報が可能になります。

※右図は、全球雲解像モデルNICAMの計算結果とNASAの衛星画像を利用している。提供:吉田龍二(複合系気候科学研究チーム)

 

データ同化は統計数理学に基づいて行われ、いくつかの手法があります。私たちはLETKF(Local Ensemble Transform Kalman Filter: 局所アンサンブル変換カルマンフィルタ)という手法を採用し、より精度の高い計算を行うための改善を図ってきました。

LETKF法

少しばらつきをもった複数の初期値(オレンジの楕円)からシミュレーションを行うと、結果のばらつきは大きくなる(青の楕円)。そこで観測値(赤の円)とつきあわせて結果を絞り込み(緑の楕円)、それをこの時点からのシミュレーションの初期値とする。

観測データの重みを明らかにする 天気予報の未来に向けて

データ同化を使うと、観測データに基づいてシミュレーションを改善できるとともに、データがシミュレーションの精度をあげるのにどれだけ貢献したかも明らかになります。こうした研究に基づいて、効果的な観測の方法を提案することもできます。

アメリカ海軍の気象観測飛行機で台風を観測したデータ(気温、湿度、風向、風速、気圧など)が、その後の予報を改善したか、悪化させたかを計算した例。飛行機の軌跡(写真では青線、図では緑の破線)上にある観測点(写真では赤丸、図では四角)のうち、多くの観測点での観測が予報の改善に貢献しているが、中には悪化させている観測点もある。

これまで開発してきたデータ同化手法を、「京」に合わせて高度化する研究を進めています。例えば、10年後には、「京」なみの演算能力をもつスパコンが実際の天気予報に使われることでしょう。そのときに備えて、より精度の高いデータ同化技術を開発しておく必要があるのです。

アメリカで開発されたWRF(Weather Research and Forecasting)モデルを用いて、日本列島の南東海上の降水量をシミュレーションする際に、データ同化を適用した例。「京」を用いて解像度の高い(大気を細かい格子に切った)データ同化を行うことにより、より精細な降水分布を表現できるようになった。


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