2022-03-16 [イベント報告] 第13回理研・京大データ同化研究会(2022年3月16日)
本研究会では、多那瀬(京大)さんと大石(理研)が発表した。
多那瀬さんは状態変数だけでなく状態変化率を考慮したEnsemble square root filter(EnSRF)を定式化し、Lorenz96モデルに適用した。観測頻度・数が十分な実験設定において状態変化率を考慮した場合に有意な差は見られなかったが、観測頻度・数を減らして非線形や非ガウス性を高めた実験設定において状態変化率を考慮すると精度が改善するケースが見られた。
大石はトポロジカル流線データ解析を海面高度に適用し、日本南岸の黒潮流路の分類を行うアルゴリズムを開発した。その結果、これまで気象庁で特定された黒潮大蛇行だけでなく、非大蛇行離岸流路をTFDAによって特定できた。また、蛇行が終息する際に、8の字型の渦崩壊が多くの場合に見られることが明らかになった。